春学期もあと少し。今学期から日本語を始めた学生は今形容詞を勉強しています。日常よく使うもの(高い、安い、きれい、など)が一気に導入されるので、覚えなければならない学生はひーひー言っています。最初は教科書の語彙リストを見て日本語とその英訳を覚えるわけですが、そうすると「東京は忙しい町です」とか「私の兄は高いです」(身長のこと)とか言ってしまいます(というか、実際私の学生が言ってました)。直訳が使えないいい例ですね。
藤田直也氏の『日本語文法 学習者によくわかる教え方—10の基本』(アルク)という本にも直訳の落とし穴が書いてありました。「なかなか」と「かなり」という副詞を例にあげ、直訳では母語話者ならわかる微妙な違いを教えることができないと書いてありました。藤田直也氏は直訳ではなく、その言葉の特性が出ている例文を提示して教えることが効果的だと言っています。
「東京は忙しい町です」ぐらいなら「「忙しい」は人にしか使いません」と説明すれば終わりですが、「なかなか」「かなり」、日本語の条件(「たら」「と」「ば」「なら」)などは、言葉を尽くして説明するよりいい例文を覚えさせたほうが効果的だろうなあと思います。例文作りが得意ではない私は、いい例文集ってないのかなあと思います。日本語文法の辞典や解説書に載っていますが、なんかこう、初級の学生でも簡単に使えるもの、理解できるものってなかなかないような気がするんですが...。どなたかいい本をご存知でしたら、ぜひ教えてください。
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