Saturday, April 28, 2007

祭り

勤務校のJapan Societyが主催する祭りがありました。予告した通り,講師全員でステージに立ちました。歌ったのは「静かな湖畔で」(輪唱)と,SMAPの「Dear WOMAN」。「静かな湖畔で」はよかったんですが,問題は「Dear WOMAN」。歌詞がチャラくて(SMAPファンの方,すみません...),覚えにくい!しかしいつも学生に「語彙30個,明日までに覚えてらっしゃい」とか偉そうなことを言っている手前,がんばるしかりません。必死で歌詞を覚えて,練習しました。

で,当日。あいにく外は雨で中でやったんですが,会場はすごい人でした。講師の出番は祭りの最初のほうで,客がいなかったらいややなーとか思ってたんですが,そんな心配は無用でした。会場の様子は仏様のブログでご覧くださいませ。教え子が見守る中,1時間前に作った振り付けまでつけて,歌いましたよ,「Dear WOMAN」...。一応拍手をいただき,ほっとしました。

ステージの後,教え子がクッキーを作って売っているブースがあったので,そこへ行きました。「いくら?」と聞くと,「無料です」と。そんなタダでもらうわけにはいきません。仏様と一緒にささやかな金額を払って(ものすごーく固辞されましたが),おいしいクッキーとケーキをもらいました。それが↓
むちゃおいしかったです!特にハート形のチョコレートのが!中に草餅みたいなのが入っていたんです。てっきりミントかと思ったんですが,ミントが苦手な仏様に「あげる」と言われて口に入れた瞬間,天国に行きました...。ああ,うまい!!!お店が開けますよ,Bさん!

Friday, April 27, 2007

1・2年生合同授業の感想

2年生がブログに合同授業の感想を書いてくれました。ぜひ読んでください!

サッちゃんのとてもおもしろいブログ:http://risamar.blogspot.com/2007/04/teaching-yesterday.html

nandemoii: http://jonononihongo.blogspot.com/2007/04/blog-post_25.html

Tuesday, April 24, 2007

1・2年生合同授業

今日仏様が学会でいないため,私が仏様の1年生のクラスを代行しました。正確には私の2年生の学生とTAさんが「代行」してくれたんですが。私の2年生の授業がたまたま同じ時間にあるので,それなら合同授業しましょうってことになり,何をすればいいのかいろいろ仏様が考えてくれて,最終的には「自由会話」と「漢字のレッスン」をすることになったのです。だから私は見ているだけ。

まず最初の40分は,1年生ー2年生,2年生ーTAさん,TAさんー1年生という組み合わせを作り,とにかく自由会話をしました。いやー,みんなしゃべる,しゃべる。話し声が途切れることはなく,ずーっとしゃべり続けているのです。2年生はもちろん1年生より話せますが,1年生も負けちゃいません。知っている日本語を総動員して,相手に関係なくとにかく話していました。みんな生き生きとしてたなあ。2年生なんか,私が相手のときより楽しそうでした。

自由会話の後は,2年生による漢字レッスンです。ちょうど今学期の始めに日本語の文字について勉強したので,漢字を中心に英語で説明してもらいました。「先生」になって自分たちが勉強したことを後輩に伝えている姿を見ていると,「ああ,2年生のみんな,成長したなあ」と思わずにはいられませんでした。もう親の心境ですよ...。私は主に非漢字圏の学習者のグループについていたんですが,1年生の「知らない漢字を見て,どうやって書き順がわかるのか?」といった私が「教えていない」ことについても,経験を生かしてしっかり答えたり,漢字がどうやって作られたのかを絵を使って説明したりしていました。漢字圏の学習者グループについていた2年生は黒板に漢字を書いて「この漢字の音読みは?訓読みは?」と,本職の先生顔負けの授業をしていました。

最後に2年生に感想を聞いたら,みんな「楽しかった」と言っていました。ブログに感想を書いてね〜とお願いしておいたので,そのうち気が向いたら書いてくれるでしょう。読むのが楽しみです。

Monday, April 23, 2007

LOS DESAPARECIDOS

学生がブログで"Los Desaparecidos" (The Disappeared)という美術展について書いていて,ちょっと興味を惹かれたので行ってきました。場所はイースト・ハーレムにあるEl Museo Del Barrio。南米の芸術家の作品だけを集めた美術館です(写真右)。メトロポリタン美術館のような派手さがまったくない,れんが造りの建物の中にひっそりとある美術館でした。うちから歩いて30分ぐらいのところにあったので,天気もいいことだし,散歩がてら歩いて行きました。そこで職場の友人と落ち合い,いざ美術館の中へ。美術館自体も小さく,目的の"Los Desaparecidos"は1階のみの展示でしたが,インパクトが強烈でした。

"Los Desaparecidos"というのは,"The Disappeared"という意味で,1950年代中盤から1980年代にかけて南米の政治闘争に巻き込まれ,誘拐・拷問の末殺され,消された人々とのことをさしています。この美術展は消された人々を描いた,ウルグアイ,アルゼンチン,チリなどの南米出身の作家の作品を集めたものです。入るとすぐに誘拐された人々を描いた木版画があり,さらに入ると犠牲者の肖像画と共に生存者の証言が書いてある作品がありました。その証言の中の拷問のひどさと言ったら...。人間はどうすればそこまで人間に対して残酷なことができるんだろうかと思うような内容でした。南米にはナチスの生き残りが極秘に亡命したと言われていますが,南米での政治粛正には亡命ナチ党員の影響もあると言われているそうです。


展示品の中で私がよかったと思った作品を2,3紹介します。まずFernando Traversoの自転車の作品です。左のは29枚のシルクスクリーンに自転車が描かれています。「29」は反体制運動家として活動していたTraversoの友人のうち,消された人の数だそうです。そして右の写真はRosarioというアルゼンチンの町から「消えた」350人を象徴して,Traversoが町中にスプレーで描いた350台の自転車の写真です。自転車は反体制運動家が好んで使った交通手段だそうで,たいてい彼らの自転車が放置されているのが発見されると,消されたということになったそうです。自転車は普通,どこかへ行くための交通手段という意味しか持たないですが,Traversoや同じような経験をした人にとっては政治粛正の象徴です。こんなに普通の「モノ」さえつらく,悲しい意味を持つのだということを思わせる作品です。

もうひとつはAna Tiscorniaの"Images in Portrait II"です。消された人々の肖像画を曇ったスクリーンで覆っています。見えそうで見えない,消された人々の姿そのものを表していると思います。実際,消された人々の身元を正確に把握することは困難でしょう。混乱の中消された人々の全員を見ることはできませんが,この作品のように少しでも見える部分を私たちは忘れてはいけない。そういう作家の気持ちが伝わってくると思います。

この美術館の前はセントラルパークのObservatory Garden(写真下)で,とてもきれいに刈り込まれた庭を散歩していると,公園ですぎてゆく穏やかな時間と,美術館内で見た暗く,悲しい時間のギャップを感じずにはいられませんでした。

Saturday, April 21, 2007

歌うぞ〜

来週の金曜日(4/23)に我々日本語科の講師がステージに立つことになりました!勤務校の日本関係の学生団体が主催するお祭りで歌を披露することになったのです。で,今日はそのための選曲とちょっとした練習をしました。曲は...ヒミツです。学生がこのブログを読んでいるかもしれないんで。当日のお楽しみ。さて,練習するか...。

Friday, April 20, 2007

食事会

2年生の学生とTAのKさんと,食事に行きました。私の勤務校では教員と学生の親睦のため,大学所有のレストランで無料で食事ができるという制度があって,それを利用しました。接待でよく使われる結構ファンシーなレストランで,実は私が面接で大学へ来た時に連れて行ってもらったところです。

一応クラスの一環として行ったので,食事中の会話はすべて日本語。しかもディベートの授業をしました。でも,まあ最初から授業というのも何だったので,ひとまずお腹にモノを入れてから...ということで,和気あいあいと話しながら食事しました。レストランはビュッフェスタイルで,サラダやパスタ,魚・肉料理がありました。なんとうなぎ,たくあん,カニカマもありました。なぜかサラダエリアにあったんですが...。学生の一人のお皿を見ると,うなぎが山盛り。相当好きなようで,うれしそうでした。ちなみにデザートも充実していて,チーズケーキ,チョコレートムース,クッキー,果物など,甘い物好きにはたまらないものがありました。

食事ばかりで授業になるかなと思っていたのですが(それはそれでいいと思っていましたが),さすが真面目な学生。そこはしっかりとディベートに参加していました。ヨコで私はただひたすら食べていただけ(笑)。

この2年生のクラスは学生1人でスタートしたんですが,最終的に4人になり,アットホームな感じでとてもよかったです。初めて使う教科書,ブログやらポッドキャストやらいろいろ新しい試みも取り入れて,教師の私としてはとても満足できたクラスでした。1学期,未熟な私につきあってくれた学生に感謝です。って,まだ終わってないんですけど。

Tuesday, April 17, 2007

ゼーハーゼーハー...

アメリカ北東部は昨日から降り続いた雨による被害で苦しんでおります。私もその一人。なんと夕べからアパートのエレベーターが止まっているのです。私が住んでいるのは18階...。復旧していることを望みつつ仕事から帰ると,無情にも「エレベーター使用不可」の張り紙が(涙)。18階まで階段...。いい運動ですが,勘弁してほしい。明日こそ復旧するか?!

Sunday, April 15, 2007

クラシックの夕べ

友人と一緒にクラシックコンサートに行きました。私らしくないって?私もそう思います。何てったって私はメタラーです。でも演奏者の一人に自分の学生がいるとなると,話は別です。2年生にチェリストがいまして,今日のコンサートはその学生が出ていたのでした。

場所は5番街の由緒正しい建物の3階。ヤマハが運営しているピアノサロンです。ステージはこんな感じ。室内楽っていうんですか,オーケストラのように大人数ではなくて,2人〜4人が演奏するものでした。ピアノ,バイオリン,ビオラ,チェロというメンツです。シューベルト,ラフマニノフ,ブラームス,バルトックの曲だったんですが,チェリストの学生がバルトック好きでブログポッドキャストで紹介してくれたもんですから,なんだかバルトックの曲が一番親しみが持てました。こう,曲の起伏が私が好きなFear FactoryのBurton C. Bellのボーカルを思わせました(Burtonは声のトーンを変えて歌います)。

クラシックはつまらんと思っていた私ですが,『のためカンタービレ』を見てちょっと気が変わり(ミーハーです),学生の演奏を聞いて,クラシックもいいなあと思ったのでした。何たってみんな上手で,体全体で音楽を表現していました。正直,学生のあんな情熱的な表情を見たことがなかったので,びっくりしました。

一人ひとり担当するパートがあるんですが,一人だけ完璧でもだめなんですよね。メンバーの顔を見,演奏を聞きながらタイミングや音を合わせ,1つの音楽を作っている---何だかことばのコミュニケーション,そしてコミュニティーと同じだなあと思いました。

またぜひ行きたいです。

Saturday, April 14, 2007

春祭り

我が日本語学科の春祭りがありました。春祭りは1年生から5年生までの学生が,日頃の成果を発表する場です。各学年で出し物が決まっていて(1年生から順 に作文,紙芝居,俳句/川柳/短歌,「トリビアの泉」,落語),各クラスの代表が春祭り当日に無料航空券などの賞品をかけて発表します。

この日のために私たち講師はスポンサー集めをしたり,ポスターやプログラムを作ったり,食べ物を注文したり…といろいろ下準備をしてきました。前日は夜8時から開場のセットアップ,当日は午前9時集合で最後の準備。学生ボランティアと一緒に,教室の飾り付けやポスターはりに精を出しました。

本業そっちのけで準備したかいあって,のべ200人ほどの人が来てくれました(写真は会場の様子です)。普段自分が教えているクラスの学生しか見ることがありませんが,他の学生のすばらしいこと!観客からどっと笑いが起こる場面も多く,去年よりもなんだか楽しい雰囲気でした。ただ,私が担当した発表用スライドにちょーっと問題があり,せっかくのお祭り気分に水をさしたようで申し訳なかったですが…。


すべての発表の後,いよいよ表彰式。審査の結果,各学年の1位になった学生には日本往復か国内往復の無料航空券をもらいました。なーんと,私の2年生の学生・Hさんが1位になり,国内往復をゲット!2位以下の学生もそれぞれさまざまな賞品をもらい,皆とてもうれしそうでした。

春祭りの後はちょっとした打ち上げと反省会。そして先日の学会発表でご一緒したKさんとの食事のため,仏様と徳兵衛86というレストランへ行きました。むちゃくちゃおいしかったです。写真は「フルーツパフェ」。抹茶アイスクリームの上にいちご,リンゴ,バナナなどがのっていて,チョコシロップがかかった一品。パフェなんて食べたの,何年ぶりやろ...。これが私の「賞品」ですかね。学生もがんばりましたが,先生もがんばったのですよ…。

Sunday, April 08, 2007

自家製納豆

去年の夏に一緒に教えさせていただいたJ先生と5月に学会で共同発表することになり、その打ち合わせのためにNYでお会いしました。感動の再会(って言っても、先月末にお会いしたんですが)で、J先生から「なあ、納豆好き?」と質問。関西人と関東人のハーフの私、納豆は大好きです。そう言うと、J先生がおもむろに、「これ、私が作ってん。食べて」となんと自家製納豆をくださいました。納豆って、自分で作れるんや...と驚く私。いやー、ちゃんと糸をひく立派な納豆です。おいしそうでしょ?明日の晩、ごはんと一緒に食べよーっと。

Wednesday, April 04, 2007

ちょっとがっかり

私の好きな作家の講演があり、行ってきました。私は彼女が描くドス黒い世界が好きで、この講演をとても楽しみにしていました。でも残念ながら、期待していた内容ではありませんでした。

この作家は日本社会、そして世界における貧富の差の拡大、強者による弱者の搾取(若者や女性を「派遣」という形の安い労働力として使う、子供を誘拐し戦士にするなど)を嘆き、「弱者」である日本の若者は伝統的な「小説」を読まず、携帯電話で書き綴られる「携帯小説」を好んで読むという現象を指摘しました。この伝統的な「小説」と「携帯小説」を比較し、携帯小説は「文字」であり「言葉」ではなく、読み手の想像をかき立てることはなく、会話と少しの感情描写だけで、今後携帯小説に慣れた若者は「小説」(のちに「文学」と言い換えていました)から遠ざかって行くだろうといったようなことを言いました。その結果、「小説」は豊かな者(南北問題では「北」に属する先進国の人々)だけのものになってしまっているのではないかという危惧を述べました。そして、自分は人間の暗い部分や「弱者」を描くことによって、この格差をなくしていきたい...というのが結論でした。

私は「携帯小説」を伝統的な「小説」よりも下に見るものいい(講演の後半でそういう意図はないと数回言っていましたが)、そして「小説が豊かな者のぜいたく品になった」というくだりにがっかりしました。まるで「歌舞伎は高尚な「文化」だが、アニメはくだらないから「文化」ではない」という主張と同じだと思いました。「小説」(「文学」)を書く自分はエリートで、携帯小説の書き手、読み手は俗物だとでもいうのでしょうか。そして「小説は人類を救う」ととらえられる主張。うーん...「それはナイーブで、おごりではなかろうか...」と思いました。

講演のタイトルである"Language and Power"というのは、「言葉には人、世界を変える力がある」という思いが込められていたと思います。それには賛成します。でもなあ...講演の内容はイマイチ。楽しみにしていただけに、残念でした。