Wednesday, December 31, 2008

ゆく年来る年

2008年もあと4時間ほどです。毎年思うんですが、1年たつのが早すぎます!これは年をとったということなんですかね。

今年は日本帰国、そして転職という人生のターニングポイントがありました。数年前は想像もしていなかった状態にいるわけですが、私は自分にとって最良の決断をしたんでしょうか。まだ迷うときもちょっとだけあります。でも、その答えは私がこれからすることでしか出せないんですよね。誰か他の人がぽっと答えを出してくれればどんなにラクか。でも、自分で選んだ道。後悔することないようにがんばります。

まあ、少なくとも、NON STYLEのM-1優勝の瞬間と関ジャニ∞のコンサートが見れたっていうので、帰ってきた甲斐があったというものです。

来年はどんなことがあるんかなあ。まずは1/7にやってくる新しい学生に会うのが楽しみです。その前に来学期の準備をせねば...。

それではよいお年を!

Monday, December 22, 2008

京橋花月デビュー

S大学のJ先生が冬休みで一時帰国していて、一緒に京橋花月に行ってきました。先月末にうめだ花月の代わりにオープンしたばかりの劇場で、楽しみにしていました。京橋はなじみのない場所なんで、どんなことかな〜と思っていたら、えっらい地味でした。
 
左が京橋花月が入っているKiKi京橋というビル、そして右がその周辺です。地味やありません?もっとにぎやかなんかなと思ってたんですが、こんな真っ黒の窓のないビル...。見つけにくいったらありゃしない。

京橋花月はこのビルの5階にあります。劇場の大きさは500席。すごくこじんまりしたところです。そこの前から4列目で見ました。内容はというと、ヘッドライト、ダイアン、千鳥、月亭方正(山崎邦正)、$10、辻本SP(新喜劇座長の辻本茂雄他4人のコント)、メッセンジャー、西川きよし、そして内場勝則主演の新喜劇。チケットをとった時はフットボールアワーが出る予定やったんですけどね〜(だからとったんですが)、千鳥になってしまった。

今回は見たことがあるネタが少なくてよかったです。でも、おもしろかったんは見たことあるやつでした(笑)。やっぱりメッセンジャーは上手いです。アンパンマンのネタで、たたみかけるように黒田がボケてあいはらがツッコむ。うーん、あの間は絶妙です。それから注目はダイアン。おすそわけのネタでしたが、テレビで見たやつとは違ってボケの西澤がけっこうツッコミの津田を困らせてて、笑えました。

休憩後の新喜劇では、すんごい間の取り方が悪い俳優がいて共演者が困ってたのがめちゃくちゃ笑えました。あれってアドリブなんかなあ。新喜劇やったらああいうのも計算通りという可能性も...。何せ50年の歴史がありますからねえ。

ところで、劇場で味の素の麻婆豆腐の素とステッカーをもらいました。来週も行くんですが、またもらえるんかな。

Sunday, December 21, 2008

おめでとう!!!

NON STYLE!!!
NON STYLE!!
第8代目M-1チャンピンです!

すっごく好きな若手コンビなんですよ〜。めちゃくちゃうれしいなあ。優勝決定の瞬間、石田(ボケ、白い方)がすっごく泣いて、「よかったなあ」なんて、大阪のオバチャンみたいな気持ちになりました(←自分の親戚の子みたいに思ってしまう)。

私事ですがあまりコント漫才は好きじゃないんですが、NON STYLEはテンポがいいんで好きなんですよね(同じ理由でアンタッチャブルも好き)。応援していたコンビが優勝して、うれしいです。

他はね...キングコングと笑い飯、残念。ダイアンがパワーアップしててよかった。U字工事、栃木弁ですばらしい。ナイツの微妙な勘違いボケはいけてます。オードーリー、春日が気持ち悪いだけ?ザ・パンチは...無言。以上、勝手な感想でした。

ちなみに明日、京橋花月でダイアン見ます。そして遂に、来週、NON STYLEを生で見ます!!!

終わった...ほっ。

前回のポストは2週間以上前ですね。うーん、何があったのかしら?あ、学期末です。

12月12日に期末試験があり、その後採点して成績出して...ってしてたら、すぐに学期最終日の17日になりました。その日は1学期だけの留学生とのお別れパーティーがありました。各クラスの代表者があいさつをしたのですが、私が担当したクラスの学生は「yukki先生のおかげで日本語が新聞や小説が読めるようになりました。どうもありがとうございました」と言ってくれて、ちょっとじ〜んときました。

振り返ってみると、正直言って立ち止まって考える暇もなく、ただひたすら走った1学期でした。最初のうちこそ「ここのプログラムはこういうふうにしてたみたいだから...」と考えて授業内容を決めることが多かったですが、途中からふっきれてちょっとだけですが自分がやりたいことを取り入れられたと思います。女性のイメージについて考えたり、漫画を分析したり...そういうことをしている中で、私には伝えたいことがあるんやなあと実感しました。それとピタリと合致したのが、Yuriさんに勧めてもらった「日本語はだれのものか」という本です。
うーん、これって3年も前に出版されていたんですね。私のアンテナ、感度鈍すぎ。


「日本語はだれのものか」ーーー著者らは使う人のものだと言っています。私もそう思います。日々日本語ということばを使ってコミュニケーションしている学生たち。通じること、通じないこと、いろんなことを経験していると思います。そんな中で、相手が言っていることがわからなかったり、相手にわかってもらえなかったりなど、できないことに焦点があたってしまい、「自分の日本語が正しくないから」とか「不十分だから」とか考えてしまっていないだろうか...。そんなこと考えている学生がいるかどうかわかりませんが、「正しさ」を重視する学生がいるとは思います。そんな学生に、「日本語って何だろう?正しいって何だろう?誰が「正しい」日本語を話すの?誰がその「正しさ」を決めるの?日本語って誰のもの?」ということを考えてほしいです。

だから、来学期の私のテーマは、上の本のタイトルと同じく「日本語はだれのものか」。リービ英雄や李良枝の作品を読んだり、歴史的な日本語の変遷をからめたり、ちょっと冒険をしようと思っています。さて、どうなることやら。
ぼんやりしていたものが、ちょっとだけですが輪郭が見えてきたような気がします。

Thursday, December 04, 2008

収穫あり

前回はへろへろになってACTFLに行き、イルカならぬ「しゃちほこ」ホテルに泊まった話をしましたが、ダテにへろへろになったわけではありません。Yuriさんの恩師であるマサチューセッツ大学アマースト校のテレサ・オースティン先生と同僚の方がなさった発表からアイデアを(ほぼそのまま)拝借し、授業をしました。

始まりは、私が「今学期の最後に何がしたい?」と授業のアイデアを募集したところ、ある学生が「漫画が読みたい」と言ったことでした。その学生は『絶対彼氏』などいくつか読む作品をあげていたのですが、全部連載ものだったのでいい読み切りを探していました。そんなとき、オースティン先生の発表で『ダーリンは外国人』(小栗左多里著)を使ったクリティカル・リテラシーに基づく活動を学びました。好きな食べ物をもらったらすぐ食べる犬みたいな(?)私は、「こりゃあいいや」と飛びつきました。そして帰国後、「漫画を読む」という授業で『ダーリンは外国人』の「お引っ越しの落とし穴」を使い、オースティン先生の活動をやってみました。ちなみに「お引っ越しの落とし穴」は、外国人である「ダーリン」と一緒に住むアパートを探している作者(日本人)が、不動産屋に「外国人はだめ。漫画家もだめ」と差別され、住むところを見つけるのに苦労したという内容です。

内容を確認した後、学生に予習として
  1. どんな人がこの漫画を読むか
  2. この漫画のテーマは何か
  3. 作者が使っている絵やことば、他の要素はこのテーマをどうやって伝えているか
  4. この漫画にはどんな文化的な情報が含まれているか
  5. この漫画の作者だたら、テーマをわかりやすくするために他にどんな情報を加えるか
  6. 自分が同じような漫画を書くとしたら、どんなふうに描くか
という点を考えてきてもらいました。クラスではそれを基に、3人グループで話し合ってもらい、それを全体で話し合いました。

いやー、学生は鋭いです。例えば3については...
  • 登場人物の表情(悲しい表情)と横に書いてある説明(擬態語のことか?)
  • 外国人のダーリンのせりふは長くて難しい言葉を使っているし、正しい日本語だが、日本人である作者のせりふはそれに比べるとそうでもない
  • (授業では出なかったけれども予習シートにあった回答として)大きいフォント/手書きの字で作者の気持ちを表している
全体の話し合いでは「ガイジン」で盛り上がりました。「「ガイジンはだめ」と不動産屋が直接言っていて、すごく差別的」という意見が出たとき、そのことばと表記の仕方についていろいろな意見が出ました。「カタカナで書いてあって、「外国人は日本人とは違うんだ」という感じがする」「「ガイジン」は「外国人」より悪い意味があると思う。アパートへの入居を断る台詞でそれを使うことで、外国人について悪いイメージを出している」と学生が言うと、別の学生は「私のアメリカの大学の日本語の先生は「外人」って言ってた。そんなに悪いの?」と問いかけ、そこから「foreigner」「outsider」という翻訳語との関係にも話が及びました。

他にも面白い意見として、「落ち込む作者にダーリンがコーヒーを急いで持って来ているコマがある。これは「外国人はうるさいし、家賃を踏み倒す」といったような悪いイメージに反対するために、「気配りができるいい人」というイメージを出しているのでは」というのがありました(ただ、これはダーリンが作者のパートナーということで、好きな人にやさしくしているだけかも...という感もありますが)。

ここで時間をとったため、4以降の質問についてあまり話すことができなかったのが残念です。学生が予習シートに書いた答えを読むと、「日本での部屋探しに必要なこと(保証人など)」「日本人の外国人のイメージ」「日本にはまだ差別がある」などがあがっていました。

この漫画を上手く料理できただろうか... いつも思うんですが、学生が言う意見をその場できちっと受け止めてどう学生に返していけばいいのか、非常に難しいです。でも、思った以上に活発な話し合いができたので、これからもこういう実践をしていきたいと思います。