Monday, June 26, 2006

富山で勉強

富山であった日本語教育の先生方の研究集会に行きました。金沢で一緒に教えている地元の先生方もいらっしゃっていて、現地でお会いしました。いやー、みなさん勉強熱心ですねえ。

研究集会のトピックは実践研究ということで、教師が自分が疑問に思ったことを現場で調べ、それを他の日本語教師とシェアするということについていろいろな発表がありました。私は常日頃現場(実践)と研究(理論)を両立させないとだめだと思っているので、こういうトピックは好きです。「理論の実践化」(theory into practice)は研究手法の客観化やデータ処理の適切さを重視しがちで現場の教師には敷居が高いので、「実践の中の理論」(theory in practice)がよいというお話でした。納得する部分もありますが、難しそうだからという理由で「理論の実践」を避けるのは残念だと思いました。やはりしっかりとした研究というのは説得力があります。実践研究というか事例報告は「こんなん、やってみましたー」だけで終わってしまう、という批判もありますが、やはりそれなりに研究手法を考慮すればいい研究ができるんではないかと思いました。

それからアメリカでは当然のようになされる調査参加者への配慮というか、"human subjects"に関することは全然出ませんでした。アメリカの大学では人間を使って研究を行う場合、必ず研究手順を参加者に伝えて、参加することによるメリット・デメリットを説明しなければなりません。日本ではこのプロセスがすっぽり抜けているようです。教師は学習者にとって「成績」という刀を持った「権力者」であり、研究に協力しない学習者には不利益になるような状況を作り出すことができるという認識が必要なのではないでしょうか。

発表内容のほうはスピーチ指導あり、読解指導あり、発音指導の教材ありなど、多岐に渡っていました。自分の授業の中で実際に使ってみようというアイデアもあり、よかったです。

研究集会の後は同僚と大学時代からの友人と夕食を食べました。富山は魚がおいしい!去年も食べたホッケを再びいただきました。実はこっちのほうがメインイベントだったりして。

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