あるメーリングリストの投稿で、dyslexiaの子供にとって日本語は学習しやすい言語だという記事を読みました。"dyslexia"(ディスレキシア)とは、書かれた文字が読めない、読めても意味がわからないという症状を示す学習障害です(ウィキペディア参照)。綴りの通りに発音する場合が少ない英語と比べて、字と音が一対一の対応になっている表音文字(ひらがな、カタカナ)を使う日本語は、識字障害であるdyslexiaの人にとって学習しやすいということのようです。文法も複雑でない(straightforward)ため、なおよいとこのこと。
確かに、と思うところもあるのですが、そんなに単純なことなんでしょうか。ひらがな・カタカナ・漢字の3種類を混合して使う日本語の文章を読むということは、学習者にとって大変な作業です。日常よく使う漢字は限られているとしても、使われ方によって読み方が違う漢字を一つ一つ覚えていかなくてはいけないわけです。3種混合の文章を目の前にした時、dyslexiaの学習者たちに上記のことがあてはまるのでしょうか。
ただ、dyslexiaという学習障害のためになかなか外国語を学ぶことができないと悲しんでいる学習者がいたとして、彼らが日本語に「光」を見出すという可能性があるのならば、私の疑問なんて大したことないのかもしれません。
4 comments:
これはかなり眉唾かなーと思いますわ。dyslexiaについては何もしらんですけど、日本語だって完全に表音文字じゃないし。本当に文法がstraightforwardだったらどうしてみんなもっとできないのかなとも思うし。韓国語のほうがもっと表音文字かな。でも同音異義語とかが多かったらそれはそれでまた困るだろうし。。。ディスレクシアの人にとって、発音の習得ってのはどうなんでしょうね。例の学生みたいに車がかるま(でしたっけ?)とかにシステマティックに変わってしまうのは音の習得ができないからかと思うんですが、そういう問題もあるはずですよね。
>ヒロシさん
私も眉唾モンだと思います。文法も別にstraightforwardでもないと思うし。ほんと、straightforwardなら、みんなもっと日本語ができてもいいはずですよね。
書いてある通りの発音で、しかも文法が簡単っていうなら、インドネシア語のほうがもっといいんじゃないかなあ、と思います。「本」は"buk"で、複数になると"bukbuk"ですよ。時制による動詞の変化もないですし。
bukbukっすか。そいつぁー驚きましたな。勉強になります。他のもそんな風に繰り返しで複数形になるのかなぁ。
>ヒロシさん
まずスペル訂正。「本」は"buku"でした。すみません。他の単語の複数形ですが、そういうケースは多いようです。でも、重ねると意味が変わるケースもあるようで、例えば"baik"は一回だと「いい」、重ねる("baik-baik")と「よく」になるそうです。東京外国語大学の先生のページにいろいろ面白い資料がありました。
個人的にはインドネシア語のように時制や"to be"がない言語は「自由」すぎて、状況によって同じ発話/文でも意味が違ってきて、割と難しいんじゃないかと思うんですが。ま、どの言語にもそれぞれ難しい点があるってことですかね。
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