Wednesday, April 04, 2007

ちょっとがっかり

私の好きな作家の講演があり、行ってきました。私は彼女が描くドス黒い世界が好きで、この講演をとても楽しみにしていました。でも残念ながら、期待していた内容ではありませんでした。

この作家は日本社会、そして世界における貧富の差の拡大、強者による弱者の搾取(若者や女性を「派遣」という形の安い労働力として使う、子供を誘拐し戦士にするなど)を嘆き、「弱者」である日本の若者は伝統的な「小説」を読まず、携帯電話で書き綴られる「携帯小説」を好んで読むという現象を指摘しました。この伝統的な「小説」と「携帯小説」を比較し、携帯小説は「文字」であり「言葉」ではなく、読み手の想像をかき立てることはなく、会話と少しの感情描写だけで、今後携帯小説に慣れた若者は「小説」(のちに「文学」と言い換えていました)から遠ざかって行くだろうといったようなことを言いました。その結果、「小説」は豊かな者(南北問題では「北」に属する先進国の人々)だけのものになってしまっているのではないかという危惧を述べました。そして、自分は人間の暗い部分や「弱者」を描くことによって、この格差をなくしていきたい...というのが結論でした。

私は「携帯小説」を伝統的な「小説」よりも下に見るものいい(講演の後半でそういう意図はないと数回言っていましたが)、そして「小説が豊かな者のぜいたく品になった」というくだりにがっかりしました。まるで「歌舞伎は高尚な「文化」だが、アニメはくだらないから「文化」ではない」という主張と同じだと思いました。「小説」(「文学」)を書く自分はエリートで、携帯小説の書き手、読み手は俗物だとでもいうのでしょうか。そして「小説は人類を救う」ととらえられる主張。うーん...「それはナイーブで、おごりではなかろうか...」と思いました。

講演のタイトルである"Language and Power"というのは、「言葉には人、世界を変える力がある」という思いが込められていたと思います。それには賛成します。でもなあ...講演の内容はイマイチ。楽しみにしていただけに、残念でした。

4 comments:

hiroshi said...

それは残念でしたね。(というと教科書の例文みたいですが)携帯小説なるものがあるのをしりませんでした。中吊り小説ってのもありましたね。本の小説と携帯小説と読まれ方が違うから私も優劣をつけることはできないと思います。小説が「豊かなもののぜいたく品」というのは、文学全体かもしれないですね。人が暇な時間にできることが昔より増えてますもんねー。

私はLanguage & Powerというと男性のPower bahavior長く・頻繁に書く、会話のフロアーを(特に女性に)渡さないでdominateするというようなことを連想します。

Yukkiさんはファンなだけに期待も大きかったのでよけいに残念だったんでしょうね。

yukki said...

>hiroshiさん
私も携帯小説というのは読んだことがないんでどんなものかわからないんですが、本として出版もされているそうです。作家氏いわく、くだらなすぎて全部読めなかったと。hiroshiさんがおっしゃるように、媒体が違えば読まれ方も違うだろうに、なんで比べるんだろうと思いました。

hiroshiさんの"Language & Power"からの連想、面白いですね。私のとは全然違います。私がしゃべるまくる関西女だからでしょうか...。

でもほんま、ファンだっただけに残念でした。作家氏が持っていたプラダの銀色の鞄(推定4000ドル)にもちょっとひいてしまいました...(貧富の差への危機感を力説する一方でプラダ...)。

jiy0ung2 said...

ふかい先生~I just realized I could directly comment on your blog -_-;ふかい先生のブログにコメントを書いてもいいですか。私は韓国のえいがが好きです。ふかい先生も好きですか。ウーン。。。おもしろい映画は。。。Spring, Summer, Fall, Winter, and Springを見ましたか。そのえいがとOld Boy - philosophical, Welcome to Dongmakgol - war movie, 3 Iron - philosophical, King and the Clown - old Korea and its entertainment, Marathon - mentally unstable runner, My Tutor Friend - silly but fun depiction of korean High school student lifestyle, Shiri - North Korean Spy, Marrying the Mafia (I & II) - Funny Korean Mafia movies。全部はいい映画です!もしみたり、はなしてください!

yukki said...

>jiy0ung2さん
もちろんコメントを書いてもいいですよ!

韓国の映画のタイトルを教えてくれて、どうもありがとうございました。日本で韓国の映画は人気があるから、DVDを借りて見ますね。