Campus Technologyという雑誌のオンライン版で、ちょっと面白い記事を見つけました。
Middlebury Bans Wikipedia as Academic Sourceバーモント州にある名門大学・ミドルベリー大学が、誰でもテキストを書き込んだり編集できたりするウィキを使ったオンライン百科事典を大学のコースのレポートに使用することを禁止したということですね。レポートにウィキペディアを使う学生がよっぽど多いということでしょうか。
ミドルベリー大学の学生新聞の
論説では、これを検閲の始まりだと避難しています。「誰でも改変できる百科事典は民主的だがそれは危険だ」、「いつでも書き換えられるので、資料として定まらない」という教授に対して、「民主的なのが危険なのか?学問とは固定的なものなのか?」と反論しています。
私は特に論説の後者の意見に賛成です。知識が固定してしまったら、それこそ学者の仕事はなくなってしまいます。提唱された理論や意見について批判的に考え、議論をかわし、人間が持つ知識を広げていくのが学者の仕事です。そのプロセスである学術研究はいつも動的であるべきではないでしょうか。
そしてもっと大切なのは、学生がウィキペディア以外にもあふれる情報を批判的に分析し、選択していく力、いわゆる「メディアリタラシー」を養うのが大学の使命の1つではと思います。ある意味、ウィキペディアは情報の取捨選択のトレーニングの道具として使えるんではないかと思うのですが、どうでしょうか。