Sunday, November 16, 2008

クリティカル・リテラシー:メディアが作る女性のイメージ(実践編)

まだ「きっかけ編」をお読みでない方は、そちらからどうぞ。


学生の「女性差別だ」というコメント、そして私の記事へのムカつきから始まったこの実践は、記事の内容理解を含めて合計4時間(50分 X 3コマ)かかりました。
  1. 「就活」の記事前半を読んで、内容を理解する。
  2. 「就活」の記事後半を読んで、内容を理解する。
  3. 宿題で考えてきてもらった「就活」の記事の中の女子学生、「友食」の記事の女性(母親)、「しつけ」のビデオの中の女性(母親、祖母、女性教師など)のイメージについて、グループで話し合う。宿題では、「「就活」の記事の女子学生は、自己分析の前後でどんなイメージ?」「「友食」「しつけ」に出ている女性はどんなイメージ?」という質問の後、「そのイメージは本当か?」「そのイメージはどこから来ているのか?」「そのイメージは、「どうしてそのイメージが作り出されているのか?」の3点を考えてもらいました。この日は10人を3つのグループに分けて宿題をもとに意見をまとめ、模造紙に書いてもらいました(このテクもYuriさん直伝)。
  4. グループの話し合いの結果を発表し、その後クラス全体で話し合う。

3までは順調だったんですよ、3までは...。例えば、学生からは次のような意見が出ました。
  • 女性の役割変化が家庭の乱れを引き起こしている=女性が悪いというイメージ。マスメディアは現在の問題を大げさにして、その原因を探すために「女性が悪い」というイメージが作られている。
  • 女性のイメージは悪い(不安定、浅い、いつも女性の責任)。記事を書いた人がイメージを作り、それを読んだ人がまたイメージを作る。悪いイメージは男性も女性も作っている。例えば、主婦がいいと思っている女性は、「働く=善」になると自分の立場が悪くなる。だから、働く女性に悪いイメージを与えることで、自分のイメージをよくしようとしている。
  • 「家=女性」というイメージ。昔のほうがいいという意見の人がイメージを作っている。変化に対応するのは大変だから、変化を悪く見せて対応するのを避けている。
これらの意見を聞いて、ああ、批判的に読んでくれたなあと思いました。このすばらしい意見をもとにさらに考察を深めていくような話し合いをリードするのが私の役目だったんですが...なんだかまとまりのないディスカッションになってしまいました。すでに話し合った事項をまた話し合うという感じになってしまったのが、大きな反省点です。特に、「どうしてそういうイメージが作られているのか」という点をもう少し考えたかったのですが、その前の2つの質問を再度なぞるなどという愚行を犯してしまい、「どうして」までたどり着けませんでした。とほほ。学生の意見をまとめ、ある方向に向くように導いていく(答えを誘導して引き出すという意味ではなく、疑問を提起するようにしむける?といったような意味です)というのは本当に難しいです。

結局、「メディアっていうのがイメージを作ってるんだ。そういうことを考えながらメディアと付き合ってほしい」と私の意見を言って締めるという中途半端な実践になってしまいました。でも、やってよかったと思います。教師である私は、漫然と教材を受け取るのではなく、批判的に読み解くことを期待しているんだということが伝えられたと思います。まあ、学生に聞いたら、きっと「そんなこと、言われなくてもやってるよ」とか言うんでしょうがね...。

2 comments:

Yuri said...

すごい、すごい!Yukki さんの授業に対する情熱とパワーには本当に脱帽です!!ここんとこずっと、1年生と一緒に、動詞だ、形容詞だ、そしてte-formだとかやっているので羨ましい。そうやって日々の授業で感じたことをどんどん授業に取り込んでいくのって、準備は大変だけどやりがいはあるよね。また何か有意義な"moment of tension"があったら教えてくださいね〜。

れいこ said...

Yukkiさん

ご活躍ですね!すばらしい。クリティカルリテラシーって、ひたすら自分の価値観や実践との対峙ですよね。私も授業の後で、あ〜ぁとよく思います。でもそれこそが教育実践の醍醐味なのかしら、と思うようにもしてます。もちろん私の場合、一年生なので、Yukkiさんの実践とはレベルが全然違う話ですけど。-.-;